聴覚障がい者のための手話でおこなう日本語講座

2008年11月に開講した「手話でおこなう日本語講座」は、
プロの日本語教師&手話通訳士である講師が、手話を使って日本語の文法や敬語の使い方、ビジネス文書を教える、たった1つの講座です。

どうしてプロの日本語教師じゃないとだめなの?

プロの日本語教師とは、日本語教育能力検定試験合格した、日本語教育に携わっている人に必要とされる基礎的な知識・能力を有する者のことです。

  • 部屋パソコンがあります。
  • 部屋勉強します。

似たような文章で、なぜ「に」を使ったり「で」を使ったりするのでしょう?
なぜ使い分けるのか、ルールを知っていますか? 正しく説明できますか?

格助詞の「に」と「で」の違い

  • 部屋パソコンがあります。
    • 「存在・状態の場所」は「に」をつかいます。
  • 部屋勉強します。
    • 「動作・出来事の場所」は「で」をつかいます。

聞こえる私たちが、正しい日本語を話したり書いたりできるのは、特別に優秀だからではありません。聴者の母語が日本語だからです。
聴者は幼い時から毎日周りの大人の言葉を聞いて、頭の中に蓄積しています。
3歳になると、だいたい普通の会話ができるようになりますが、それは3歳までに約1万5000時間も日本語を聞いて頭の中に蓄積しているからです。

ろう者にとって、母語は「手話」、日本語は「第二言語」です。
外国人が日本語を学習するのと同じです。

ルールを説明せずに答えだけ教えても、第二言語を身につけることは出来ません。
ですから、日本語教育能力検定試験に合格したプロの日本語教師が「第二言語」として、ルールを丁寧に教える必要があるのです。

手話通訳士と日本語教師の2つの資格を持っているプロの講師が指導しているのは、日本で一つだけ

日本語教育は言語教育のジャンルですし、聴覚障がい者のための手話は、どちらかと言うと福祉のジャンルと考えられてきました。別の世界なので、両方の資格を持って2つの言語を体系的に指導している人が、私の他にいないのです。

でも、日本語は言語で、手話も言語です。そう考えると、両方の専門知識をもつのはとても大切なことです。両方の知識があるからこそ指導できる講座、それがテンダー日本語教室の『聴覚障がい者のための手話でおこなう日本語講座』です。